2001年9月11日から20年たって思うこと

ニューヨークに住んでいた頃、West Villageに「fetch」というペット関連グッズのお店があって、愛犬ぶーちゃんと一緒によく通いました(残念ながら、今は閉店しています)

このお店がすごくよくて「ものを売る」だけでなく、ときどき、犬さん同士、その飼い主さん同士が集う会を開催してくれてたんですよ。

これは2004年6月の「ICE CREAM SOCIAL」↓

犬さんと一緒にお店に入ると、無料で犬さん用アイスクリームをプレゼントしてくれます。

犬さんたちは大喜び。

もちろん、ぶーちゃんも大喜び。

……ですが、食べすぎるとおなかが緩くなる繊細ちゃんなので、控えめに。

アイスクリームで一息ついたら、犬さん同士、飼い主さん同士でごあいさつ。

小さい子も。

大きい子も。

人間大好き!な子は、飼い主さんにも。

時間とともに、近所の人が続々とやってきて、大混雑することもありました。

こういうイベントって、犬さん同士が楽しいだけでなく、飼い主的にも本当に楽しいんですよ。

普段はクールに散歩している(ように見える)ニューヨーカーでも、実は愛犬にはメロメロで、その愛を語りたくて仕方ないんですね。

アメリカの人は全般的に、臆面もなく家族を褒める傾向が強いと思うけれど、普段、相手が犬さん好きじゃない可能性がある場合、なかなかそこまで愛をモロに表現するのは憚られるわけで……。

でも、こういう場に集まるのは、年齢、性別、国籍問わず、「犬さんが好き」な人なので、お互い安心して愛を語り合えます。

「うちの子は、●●なところがかわいいの。あなたんちの子は◎◎なところがとってもいいね」と、わが子自慢しつつ褒め合いつつ、毎回なごやかに盛り上がるのでした。

犬さんへの「愛」を軸にした一体感、連帯感が、本当に心地よかった……。

 

わたし達夫婦が渡米したのは、その3年前。2001年のことです。9.11のわたし達が体験したことは以前、このブログにも書いたので割愛しますけれど、その直後のニューヨークも、すごい一体感、連帯感があったことを、今でもよく覚えています。

それは、犬さんへの「愛」のようにウキウキした軸ではなく、「共通の敵」をもったことによる一体感、連帯感だったわけで……。

当時、あんな大きな都市の、街中の人が団結して、お互い慰め合って、励まし合って、なんとか立ち直ろうという前向きな感情を発していたように感じたけれど、一方でイスラム系の人への差別や偏見ははっきりとそこにあったわけで……。

9.11から20年たった今、コロナ禍でふたたび世界の分断に目が向くようになって、あらためてあの頃のことを思い出している次第です。

人の気持ちや動きは、ものみたいにきっちり整理、分類できるものじゃないし、整理、分類できなくてもいいのかもしれませんね。……未熟者なので、まだ答えは出ません。

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